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コラム

2018/06/25

「ふく」を食すといふ事 ~ふぐの食文化を紐解く~

今回のコラムは高級魚として扱われているふぐの食文化についてお話いたします。

一口にフグといっても種類は500種近くあり、その中でも実際に食用でいただけるものはわずか22種です。食べられるふぐの中でよく目にするのはマフグやカラスフグなどですが、なんと言ってもトラフグが最もおいしいと言われています。

ふぐは地域毎に呼び方が変わっています。大阪では「てっぽう」、長崎では「がんば」、銚子あたりでは「とみ」と呼ばれ、地域によってこだわりが感じられる「ふぐ」は日本人にとって大切な食材なのが分かります。

■ふぐの毒

ふぐといえば「毒」を思い浮かべる方も少なくないと思います。ふぐの毒は「テトロドトキシン」と言い、これを発見し命名したのはなんと日本人の薬学者・田原良純氏なのです。日本はふぐの毒研究で世界をリードしまだ謎が多く残る部分の解明に力を注いでいます。

ふぐの毒は体内のどこに混在しているかが決まっていません。試験に合格した資格を持つ料理人が調理する必要があるため、ふぐは専門店でしか味わえない貴重な食材となっています。

■ふぐを食す

種類により食べられる箇所と食べられない箇所があるので、ふぐの中でも最も高価で美味とされるふぐの最高峰「とらふぐ」について説明します。食べられる箇所は、筋肉(身の部分)、皮、精巣(白子)の部分だけ。それ以外は基本的に食べられません。しかし、日本人は昔から工夫に工夫を重ねおいしく食べられる調理法を学んでいったのです。それが、おなじみのふぐ刺し、てっさ、てっちりなのです。

ふぐにはコラーゲンがたっぷりと含まれています。ぷるぷるの身と皮を食べればお肌も同時にプルプルに。さらに、高タンパク・低脂質で、他の白身魚と比べても圧倒的に脂肪分が少ないのが特徴です。カロリーを気にせずお肌の潤いを補給できるふぐは、特別な日のお祝いだけじゃなく、自分へのご褒美としても食べたい魚料理ですね。

 

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